カローラクロスを検討していると、ネットで「カローラクロス 貧乏」なんていう、ちょっと気になるキーワードが出てくることがありますよね。せっかく検討しているのに、そんなイメージを持たれるのは嫌だなぁと不安になるかもしれません。
実際、内装が安っぽいんじゃないかとか、Gグレードは見た目が良くないとか、いろいろな口コミもあります。一方で、買ってよかったという声や、乗ってる人のイメージが自分と合うかどうかも気になるところです。
この記事では、なぜカローラクロスに「貧乏」という検索がついて回るのか、その理由と、実際のオーナーや市場からの評価を徹底的に分析していきます。先に結論を言うと、そのイメージは大きな誤解を含んでいるかもしれません。

- なぜ「貧乏」と呼ばれるのか、その本当の理由
- カローラクロスは本当に「安い」車なのか
- オーナーが「後悔」する点と「買ってよかった」点
- カローラクロスが「賢い選択」と呼ばれる理由

カローラクロスが貧乏と呼ばれる理由と実態
まず、一番気になる「カローラクロス 貧乏」というキーワード。なぜこんな風に言われてしまうのか、その理由を深掘りしていきます。調べていくと、それは単純な価格の問題ではないことが見えてきました。
貧乏と言われる原因は内装の安っぽさ?
このネガティブなイメージが生まれる最大の原因は、「車両価格に対して、内装の質感が安っぽく見える」という点にあるかなと思います。
カローラクロスは、決して安い車ではありません。それなのに、ダッシュボードやドアトリムに硬いプラスチック(専門用語で「ハードプラ」と言ったりします)が多用されているんですね。もちろん、傷や汚れに強いというメリットはあるんですが、触った時の質感や見た目の高級感にはどうしても欠けてしまいます。
特に辛口な口コミで指摘されがちなのが「後部座席」です。前席周りはそれなりでも、後席のドアトリムなどは、前席と比べてもコストダウンの影響が分かりやすく出てしまっている、という声は多いですね。
また、見た目の素材感だけでなく「機能的な安っぽさ」を指摘する声もあります。
収納スペースの不足と使い勝手
オーナーさんからの不満として意外と多いのが、「収納の少なさ」です。特にセンターコンソール周りが使いにくい、スマホや小物を置く場所がしっくりこない、という声があります。
例えば、競合の日産「キックス」などは、センターコンソールの使い勝手が良いと評価されることがありますが、それと比べるとカローラクロスは少し物足りなさを感じるかもしれません。日々の使い勝手で小さなストレスがたまると、どうしても評価は厳しくなりますよね。
「期待していた品質」とのギャップ
結局のところ、300万円クラスの新型SUVを買うぞ、と期待しているのに、乗り込んだ瞬間にプラスチックの質感が目についたり、スマホを置く場所に困ったりすると、「あれ?」とがっかりしてしまう。この「期待していた品質とのギャップ」こそが、「安っぽい」=「貧乏」という、あまり嬉しくない連想につながっているようです。

カローラクロスの価格帯は安いのか
では、そもそもカローラクロスは「安い」車なのでしょうか?
結論から言うと、全く安くありません。むしろ、カローラシリーズの中では高級な部類に入りますし、日本のSUV市場全体で見ても、しっかりとした「ミドルクラス」の価格帯に位置付けられています。
「カローラ」という名前から、200万円台前半で買える「安い大衆車」という先入観を持っていると、実際の価格表を見て驚くかもしれません。
2025年モデルの主要価格帯(税込)
2024年に一部改良された最新モデルの価格を見ても、その位置付けは明らかです。
- S グレード (1.8L HV 2WD):2,996,500円~
- Z グレード (1.8L HV 2WD):3,446,500円~
- Z グレード (1.8L HV E-Four):3,689,000円~
- GR SPORT (2.0L HV E-Four):3,895,000円
(出典:トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト)
エントリーグレードの「S」でさえ約300万円から。最上位のハイブリッドZ E-FourやGR SPORTモデルにもなると、車両本体価格で360万円~390万円にも達します。
これはもう、「大衆車」というイメージとはかけ離れた価格設定ですよね。
上位のRAV4とも比較される価格
驚くことに、カローラクロスの上位グレードは、一つ上のクラスである「RAV4」のベースグレードと価格がほとんど変わりません。RAV4のベースグレード(X)が約274万円(※)だった時期に、カローラクロスのガソリン最上級グレード(Z)が約264万円(※)と、その差はわずか10万円ほどでした。(※2021年時点のデータ)
この事実は何を意味するかというと、「RAV4が買えないからカローラクロスを選ぶ」のではなく、「RAV4のベースグレードを買う予算で、装備が充実したカローラクロスの上位グレードを選ぶ」という、積極的な購買行動が起きているということです。
これはクラス下位の最上級モデルを選ぶという、むしろ「プレミアム」な消費行動とも言え、客観的に「高価格な車」であるカローラクロスが「貧乏」と呼ばれるのは、やはり価格そのものではなく、前述の「価格に見合わない」と感じる部分にある、というのが私の分析です。
後悔した?口コミ辛口とがっかり評
「カローラクロス 後悔」というキーワードもよく検索されています。これも「貧乏」というイメージと関連が深そうですね。オーナーさんが具体的にどんな点に「がっかり」したのか、辛口な口コミをもう少し詳しく見てみましょう。
1. 内装の質感(既述)
これはやはり一番多く指摘されるポイントです。「価格の割に安っぽい」というのは、購入後に後悔する理由のトップかもしれません。特に、普段あまり人が乗らないかもしれない後席でも、ドアを開けた瞬間にその質感が目に入ると、オーナーとしては少し残念に感じてしまうかも。
2. 走行性能や運転感覚の一部
走行性能に関しても、いくつか指摘があります。特に初期のガソリン車(1.8L)の燃費が「思ったより良くない」という声がありました(※現行は2.0Lガソリンまたは1.8Lハイブリッド)。
また、ハイブリッド車でも「直進安定性がイマイチで、高速道路で少しフワフワする」とか「ブレーキのフィーリングがカックンブレーキになりがち」といった、運転の根本に関わる部分での不満もゼロではありません。このあたりは個人の感覚も大きいですが、試乗でしっかり確認したいポイントですね。
3. 後方視界の見えにくさ
デザインのせいか、Cピラー(後ろの柱)が太く、駐車時や車線変更の際に「後方や斜め後ろの視界が見えにくい」という指摘もあります。もちろん、バックモニターやブラインドスポットモニターが装備されていればカバーできますが、目視での確認を重視する人にとっては、運転に慣れが必要かもしれませんね。
こうした「後悔」ポイントが積み重なると、「高いお金を出したのに、満足度が低い」=「安物買いの銭失い」のような感覚になり、それが「貧乏」というキーワードに結びついてしまう……という構造があるように思います。

なぜ不評?Gグレードの安っぽさ問題
カローラクロスの「安っぽい」というイメージを決定づけている、もう一つの非常に大きな要因があります。それは、下位グレード(特に「G」グレード)の見た目です。
カローラクロスは、グレード間の「見た目の格差」が、他の車種と比べてもかなりハッキリしています。特に外観で目立つ部分の装備差を見てみましょう。
| 装備項目 | G グレード (廉価に見えがち) | S グレード (中堅) | Z グレード (プレミアム) |
|---|---|---|---|
| ホイール | 17インチ スチール+樹脂キャップ | 17インチ アルミホイール | 18インチ アルミ(切削光輝) |
| ヘッドライト | Bi-Beam LED | Bi-Beam LED | 3眼LED+シーケンシャル |
| メーター | アナログメーター | 7.0インチ液晶 | 7.0インチ液晶 |
| シート表皮 | ファブリック | 上級ファブリック | 本革+ファブリック |
一番分かりやすいのがホイールです。ショールームで飾られているのは、大抵が18インチのピカピカなアルミホイールを履いた「Z」グレードです。それを見て「かっこいいな」と思って契約しても、もし予算の都合で「G」グレードを選んだ場合、納車されるのは黒い鉄のホイールにプラスチックのカバー(ホイールキャップ)が付いたものになります。
正直、300万円近い車でこの装備は、かなり「安っぽさ」を感じさせてしまいます。街中でこのGグレードを見かけると、「あ、一番安いグレードだな」と車に詳しい人でなくても分かってしまう。この「グレードが露骨にわかる外観」こそが、「貧乏」というイメージの源泉になっている可能性は高いですね。
買ってよかった?高いリセールバリュー
ここまでネガティブな話を続けてきましたが、ここからが本題です。 では、カローラクロスの購入は「貧乏」な判断、つまり「悪い金融判断」なのでしょうか?
答えは、完全に「No」です。 むしろ、カローラクロスは日本で買える車の中で、最も「賢い」金融判断の一つと言えます。
その理由は、圧倒的な「リセールバリュー(再販価値)」の高さにあります。
カローラクロスは「リセールキング」
カローラクロスは、中古車市場で異常なほどの高値で取引されています。この現象は「カローラクロスバブル」なんて呼ばれることもあるくらいです。特に人気なのは「ハイブリッド Z 2WD」のようです。
リセールが異常に高い4つの要因
- ブランド信頼性:「トヨタ」と「カローラ」という、世界中で通用する「壊れにくさ」の代名詞。
- 市場の需要:世界的に大人気の「SUV」カテゴリであること。
- 海外(輸出)需要:国内だけでなく、海外での人気が非常に高く、輸出バイヤーが価格を押し上げている。
- 新車の供給問題:新車の納期が長かった時期が続いたため、「すぐに乗りたい」という需要が中古車市場に流れ、価格が高騰した。
「スマートマネー」の選択:ハイブリッドZ
ここが面白いポイントなんですが、カローラクロスで最も賢い金融判断は、一番安い「G」グレードを買うことではありません。最もリセール価値の高い「ハイブリッド Z」を選ぶことなんです。
中古車市場では、「Z」グレードに標準装備されている「3眼LEDヘッドライト」「18インチアルミ」「本革コンビシート」といった、「見栄えの良い」高級装備に対して、新車価格以上のプレミアムな価値が付けられることがあります。
結果として、新車で「Z」グレードを買うために支払った追加コスト(SやGとの差額)は、数年後に車を売却する際、そのほとんどが回収できる、と言われるほどです。
つまり、下位グレードを買うのとほぼ同じ(あるいはそれ以下)の実質コストで、数年間「Z」グレードの高級装備を享受できる、という逆転現象が起きているんですね。
これは「安物買いの銭失い」とは対極にある、市場のメカニズムを理解した、最も洗練された資産運用の一つだと私は思います。
カローラクロスと貧乏イメージ、実際の評価
「貧乏」というキーワードが、いかに実態とズレているかが見えてきたかと思います。この章では、乗っている人のイメージや、競合車との比較から見えてくるカローラクロスの「本当の姿」を明らかにしていきます。
乗ってる人のイメージ。金持ちはいる?
「貧乏」というイメージがある一方で、「金持ち」という関連キーワードも存在するのが面白いところです。
私の見解では、カローラクロスに乗っている人の実際のイメージは「堅実な合理主義者」です。データベースにもある通り、ターゲット層は30~40代のファミリー層が中心と言われています。
見た目の派手さや、内装の触り心地といった「見栄」や「感性」の部分よりも、
- 家族がしっかり乗れて、荷物もたくさん積める「実用性」
- 日々のガソリン代を抑えられる「燃費」
- 数年後に乗り換える時の「リセールバリュー(資産価値)」
といった、「経済合理性」を最優先する人たちに選ばれている車だと思います。
リセールバリューまでしっかり考えて車を選ぶというのは、むしろ経済的な余裕や、しっかりした金融知識がある「賢い」行動ですよね。ですから、派手な「金持ち」とは違いますが、「経済的に自立した堅実な人」「ライフプランをしっかり考えている人」というイメージがぴったりかなと思います。
顔ださい?女子ウケするかの評価
デザインについては、よく「顔 ださい」なんていうキーワードも出ますね。 こればっかりは完全に好みの問題かなと思います!
確かに、アクの強いデザインではないかもしれませんが、私はあの「キーンルック」と呼ばれるトヨタのデザインは、スッキリしていて飽きが来ない良いデザインだと思います。特に2024年のマイナーチェンジで、ヘッドライトとグリルのデザインが変わって、より洗練された印象を受けます。
「女子ウケ」についても、これは悪くないと思いますよ。 ギラギラした高級車や、いかにも趣味に走ったスポーツカーよりも、清潔感があり、運転もしやすそうなSUVは、間違いなく好印象です。
それに、カローラクロスはクラス最大級の荷室容量(ラゲッジスペース)を誇ります。これは大きなポイントです。 デートや旅行で荷物が多い時もスマートに積めますし、将来的に家族が増えたり、子供の部活の送り迎えがあったりしても対応できる。そういう「実用的な安心感」や「将来設計ができている頼り甲斐」は、女性からの評価も高いポイントじゃないでしょうか。
どのような人に向いていますか?
では、競合車と比較して、カローラクロスはどのような人に向いているのでしょうか?
例えば、ライバルのホンダ・ヴェゼルは、内装の質感にかなりこだわって作られており、センターコンソールのデザインなど、カローラクロスよりも「高級感がある」という評価が多いです。 日産・キックスは、e-POWERの電気的な走りの楽しさや、使いやすいコンソールが魅力です。
その中でカローラクロスが選ばれる理由は、トヨタの明確な「戦略」にあります。
トヨタの「戦略的トレードオフ」
トヨタは、カローラクロスを開発するにあたり、「内装の質感」や「収納の利便性」をある程度犠牲にする(トレードオフする)という判断をしたのだと思います。
その代わりに、リソースを全振りしたのが、
- クラス最大級の「荷室容量」という実用性
- 最強の「リセールバリュー」と「低燃費」という経済性
この2点です。内装にお金をかける代わりに、売る時の価値や、家族で使える積載量を優先したんですね。
したがって、カローラクロスは以下のような人に最適な車です。

カローラクロスが向いている人
- 見た目の高級感や内装の触り心地より、荷物がたくさん積める「実用性」を重視する人
- 運転の楽しさやフィーリングより、日々の「燃費」や維持費を気にする人
- 購入時の価格だけでなく、数年後に売却する時まで含めた「トータルコスト」で物事を判断できる人
まさに「実用性と経済合理性を最優先するプラグマティスト(合理主義者)」のための車ですね。
税金は2025年にどうなる?維持費
経済性を重視するなら、税金などの維持費も気になりますよね。 「2025年に税金がどうなるか?」という点ですが、現時点(2025年11月)で、毎年支払う「自動車税(種別割)」が大きく変わるという話はありません。カローラクロスは1.8Lか2.0Lなので、排気量に応じた税額(年間36,000円または39,500円)が基本です。
ただし、購入時にかかる「自動車重量税」を軽くしてくれる「エコカー減税」です。
エコカー減税の基準厳格化に注意
「エコカー減税」や「環境性能割」といった優遇措置ですが、この基準は年々厳しくなっています(いわゆる2030年度燃費基準の達成度など)。
2025年以降も制度自体は続きますが、カローラクロスの一部のガソリンモデルや、ハイブリッドでもグレードによっては、減税の対象外になったり、減税額が少なくなったりする可能性があります。
これは車の性能が変わったわけではなく、国の基準が厳しくなった結果です。こうした税制の優遇措置は非常に複雑で、頻繁に変更されます。正確な情報は、購入を検討するタイミングで、必ずディーラーや公式サイトで最新の情報を確認するようにしてください。
最終的な支払い総額に関わる重要な部分ですので、人任せにせず、ご自身でもチェックするのが一番確実です。

カローラクロスは貧乏ではなく賢い選択
最後に、この記事のまとめです。
「カローラクロス 貧乏」というキーワードは、「高価格な車なのに、内装やGグレードの外観が安っぽい」という期待とのギャップから生まれた、ある種の部分的な「イメージ」に過ぎませんでした。
しかし、それはトヨタが「内装のコスト」よりも「家族で使える実用性」と「将来の資産価値(経済性)」を優先したという、明確な戦略の結果です。
そして、その戦略は見事に市場に受け入れられました。圧倒的なリセールバリューと、日々のガソリン代を抑える低燃費は、この車を選ぶことが「貧乏」な判断どころか、「家族の実利と将来の資産を最優先する、最も合理的で賢い選択」であることを証明しています。
もしあなたが、他人からの見た目や内装の触り心地よりも、日々の暮らしの豊かさや、長期的な経済合理性を大切にするなら、カローラクロスは最高のパートナーになってくれるはずです。



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